石塚沙矢香

レジデンス・プログラム

二都市間交流事業プログラム(派遣)

更新日:2019.11.28


石塚沙矢香

参加プログラム 二国間交流事業プログラム(派遣)
活動拠点日本
滞在都市ウェリントン
滞在期間
2009年1月 - 2009年3月
滞在目的

平成20年度トーキョーワンダーサイト 交流事業プログラム
JENESYS プログラム(東アジアクリエーター招聘プログラム)
ボルトンストリート・コテージ(ニュージーランド、ウェリントン市)派遣
期間:2009年1月7日〜3月10日
場所:Bolton Street Sexton's Cottageでの滞在制作、Wellington Botanic Garden にある樹齢100年以上のNZ原産の木Pohutukawa treeでのインスタレーション"Whispers"の制作、発表を行う。
滞在中に参加したイベント:Wellington Summer city Festival " Wellington Botanic Garden Artist Project " とWellingtonの各所で行われていた" Fringe Festival "
主なプログラム内容(詳細):ポフツカワツリーでの作品制作発表。ウェリントン市長なども出席した公式の歓迎会。 Wellington Botanic Garden Artist Project に一緒に作品発表をおこなったHeidi Threlfoと二人でのアーティストトーク。
ボルトンストリートコテージでのオープンスタジオ。ウェリントン市内の小学校でのアーティストトーク。他
共催:ウェリントンシティカウンシル、アジアニュージーランドファウンデーション、国際交流基金

滞在中の活動

私はレジデンス経験と、海外での発表がはじめてでした。作品を制作するにあたり言葉も含め、慣れない場所で起る様々な問題や、スムーズにいかないこと、周囲の反応、自分が他の文化に触れてはじめて感じる感覚、違和感など。日本では経験できない様々な経験ができ、またこれら一つ一つの出来事が今後の制作、発表をして行く時にとても重要な経験である と、帰国した今改めて確信しています。

今回の滞在の目的のひとつ、「自分が慣れない環境、日本以外の文化、生活習慣の中に放り込まれた時に自分の作品のどの部分が変化するのか、またどの部分が変化しないのか。」ということを日々考えながら制作をおこないました。
様々な課題がありました。想像していた以上に強い風、大きなポフツカワの木、現地スタッフとのやりとりの難しさ(主に生活習慣の違いから生じる)、公共の場での作品設置の為子どもたちに作品を壊される、等の問題が生じましたが、その中でどのようにしたら自分の「こうしたい」ということを人に伝えることができ、実現する事ができるのか?ということを考えながらの制作でした。

滞在前に考えていたプランは、ウェリントンの強風等の気象条件や様々な問題からでできないと言うことがすぐに発覚しました。
一旦プランを白紙に戻してからのスタートは、ウェリントンで感じた新鮮な感触を作品にとりこむ事ができ、また自分がどの部分を重要視して作品を制作しているのかを疑い、確認しながらの制作をすることができました。
たとえば、「包まれる感覚」と言うのは自分にとって譲りたくない部分であるのでそれを動かさずに、ウェリントンででの新鮮な感覚をどう取り入れていくのか。ということについてを多く試行錯誤を重ねました。
ここでしかできない作品をつくりたいと思いプランを立て直しを行いました。この強風を利用し、またウェリントンでしか選ぶ事のできない色の選択をしました。ウェリントン市内から出た不要品を利用した事もとてもおもしろい経験でした。

様々な出会いもありました。" Wellington Botanic Garden Artist Project " で一緒に発表することとなったHeidiというアーティストとは家族を含めて仲良くなり、様々な話をすることができ、作品に関してもたくさんのアドバイスをもらう事ができました。
彼女とは、滞在期間中に二人でのアーティストトークを行いました。これをきっかけに多くの興味深い話をすることができました。ハイディの母親であるという観点からの作品制作の話などが特に印象的です。
また、ポフツカワの木のもとで作品を通して話をした多くのウェリントンの人々や子ども達との出会いもかけがえのない経験となっています。

これらの様々な出会いや経験は、すぐにニュージーランドでの作品に現れたこともあれば、日本に帰国し私の中で化学反応を起こし今後の作品に現れていく事もあると思います。帰国後に制作した越後妻有アートトリエンナーレで制作した「うかのめ」という作品制作過程では、現にニュージーランドでの反省をもとに、ぜったいに譲らない事とは何なのか?ということをしっかり認識し、頑固にやったという実感があります。

今後もこの滞在期間中に試行錯誤を重ねた事を一つのステップとし、作品をより深く考え制作していきたいと思います。

・「Whispers 」2009年 布、リボン、ウェリントン市中から集まってきたいらなくなった物。/ニュージーランド、ウェリントン、ボタニックガーデンにて。

滞在後の活動

2010年10月9日(土)~10月28日(木) ※ 休館日:日祝日
INAXギャラリー 
現代美術個展  ギャラリー2
「石塚沙矢香 -かけらはただよひ-展」
http://www.inax.co.jp/gallery/contemporary/detail/d_001689.html

クリエーター情報

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